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なぜなぜ坊や

私に会ったことのある人はご存知ですが、私は非常に「ちっさい」。
物理的に身長が低い。私のコンプレック スですがいまや「ちっさいおっさん」なのでやっとどうでも良くなってきました(笑)。

さて、そんな私の新入 社員時代、事ある ごとに「なんでですか?」を連発 していたら、ある先輩が「ほんと、たくとはなぜなぜ坊やだねぇ~」と可愛がってくれました(笑)。

なぜ、私は「なぜなぜ坊や」だったのか?
今自分のことを振り返ると、その原動力がよく分かります。

私は、常に不安 だったのです。「ちゃんと理解」せずにお客様 に何かを届けることで、ミスが出たり、損をさせたり、がっかりさせたり、そして怒られることが怖かった。
いや、今でもやっぱり不安で怖い。特に関わる人たちをがっかりさせるのが。

だから、そういった状況 を極力回避するためには、社内のことも社外のことも「なぜなぜ」と突き詰めて、 確かな判断の基準 を持っておかないと!というのが私を動かす力になったのです。
一見、ネガティブなパワーですが、結果としては私なりの強みと見ることもできます。

メンバーの 主体的行動を引き出すことをテーマにしている「ひとマネ」では、PSAパーソナリティ診断という、精神医 学ベースの パーソナリティ診断を活用 し、「個の違い」を捉えることをトレーニングに組み込んでいます。

人間も「動物」ですから、動物としての生存本能としてそれぞれが 特有の「情動」の反応を持っています。「情動」は脳の深い部分(俗に爬虫類脳と呼ばれる部分)で起こる、自動的な反応で、大きくは「闘う」「逃げる」「止まる」という3つの反応の組み合わせの傾向として表れます。
この傾向が、個体としての個々人それぞれある程度生まれ持って違うのです。

そして、この「情動」は動物的な「快」「不快」に直結しているので、その個人の行動や反応に及ぼすパワーは大きいのです。

この「情動」の個体による違いが、そもそも多様性なのです。
ある人にとっての「快」は、ある人にとっては「不快」だったりするのです。
「理」ではなく「情」なので、ある種どうしようもない部分が個々人それぞれに「違い」としてあるのです。

さて、その「違い」を自他ともに「認めた」上で、「違和感」として排除する方向にいくのか?それとも「可能性」として活かしあう方向にいくのか?がピープルマネジメント上の戦略となります。

これも、単純にどっちの戦略が「良い・悪い」ではありません。組織として、どんな事業環境でどんな生き方を目指すのか?によります。

ただ、環境変化のスピードが 激しい 昨今や 業界 では、「多様性 」を 活かすことによる「持続的生存可能性の向上」を図る組織が増えているのは事実です。

とはいえ、多様性 に向き合う・受容するというのは、「違和 感」に向き合う・受容するということでもあります。それは、多くの場合ストレスと背中合わせです。

だから、個体の 反応傾 向の 違い=パ ーソナ リティ を「なんだかよく分からないフワッ としたもの」として置いておくのではなく、「わかる」ものとしてある種科学的に扱ってみる。それが、「ひとマネ」に組み込んでいるコンテンツです。

「わかる(分かる)」と「かわる(変わる)」。

ちなみに、不安衝 動の 強い、「なぜなぜ坊や」の私の情動の パタ ーンは「慎重家」と 名付けられたタイプ。精神医学的には「回避性人格」と言います。
なんだかネガティブな雰囲気ですが、持って生まれたこの情動を「しゃあない」と受け容れた上で、強みとしてうまく活かすこと。
それが私の自分自身の操縦法の探求に繋がっていきます。