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インタビュー

クオント株式会社代表取締役社長 足立和久様

(トレーニング実施時役職:QUANT株式会社代表取締役社長)

自社カルチャー紡ぐための徹底したトレーニング

EBC Reports ~わたし達の取り組み・2~

今回は、元QUANT株式会社 代表取締役社長(現Glossom株式会社代表取締役) 足立和久 様にご登場いただきます。今回我々がお手伝いしたのは「ひとマネジメントスキルトレーニング」に加え、ボードメンバーの皆様に対する「システム・コーチング®︎」のセッションでした。トレーニング期間を終えた足立様にインタビューをさせていただきました。トレーニングの成果や、具体的な効果など、細かくお話いただきました。

トレーニング導入の目的

ー 今回一連の手を打とうと思われた理由はどんなことでしたか?

理由は、自社カルチャーを紡いでいくためでした。より具体的に言えば、クオントの「マネジメント文化:具体的なマネジメント体現」や「カルチャー:何を大事にしてどんな雰囲気や価値観でやっていくのか」を紡いでいくためです。この二つの目的を実現するために、ひとマネスキルトレーニングに加え、ボードメンバーでのシステムコーチングセッションをプログラムしていただく必要がありました。

他社の提供しているトレーニング(研修)との違い

ー 他のトレーニングとの違いはありましたか?

「違い」で言うと、一番大きかったのが、川波さん(弊社:ひとマネトレーナー/関係性システムコーチ)です。「人事畑」出身などの組織系の方ではなく、「事業畑」出身の方がやっていらっしゃるのが特徴だと思います。

普通のトレーニングでは、座学をして終わることが多いと思います。EBCさんのトレーニングは、具体的な展開までをフォローしてくださいます。「実際うちでは、こういう営業の組織でやっているのですが、営業のメンバーでゴリゴリ行く子と保身的な子がいて、こういうバランスなのです」といったお話をした際に、「例えばリクルートでこういうことがあって」や「ミーティングでこういうことをやっていて」といった具体事例を持って来てくださる。トレーニングの結果を「活用していく話」まで広げられますから、大変リアリティーがありました。ですから本当に、座学に留まらない時間になる、ということが大きいと思いました。

知らないものを知ったり、無自覚であったものに気づいた、となった後に、やはり会社としては、具体的な想像がどんどん膨らんでいきますよね。例えば「自分の環境に置き換えたならば、どういうことが出来るだろう?」「このアイデアにメンバーを巻き込んだら、自分たちのチームももっとイキイキするんだろうか?」などというようなことです。その想像がどんどん膨らんでいくところまで、この「トレーニングの場で話せる」のは、結構、新しいと思いました。

トレーニングを運用しようと決めてからの経緯

ー 御社はこのひとマネでの1on1実践トレーニングに「あけぼの」と銘打って運用し、他のマネジャーに加え、社長である足立様自らも参加されました。「実践しては振り返るといった「時間の過ごし方」も増したと思いますが、実際それらは、どんな経験でしたか?

社長としては、やはり少し気恥ずかしい部分がありました。トレーニングへの参加者は、お互い薄々人間性を分かっていますので、それを実際に、お互い、つまびらかにするというのは、「その人間性を裸にする感じ」です。ですから改めてそれを見せ合うには、照れもありました。ですが、自分の人間性をシェアするといった感覚に1回慣れてくると、もう一段階、踏み込んだ会話が成立するようになっていきます。そこは第三者の力を借りてトレーニングという形でやることによって、生まれたことでしたね。ただ日常業務の中に居ては、キッカケがなく、なかなかやらないと思います。

トレーニングによる変化の実感

ー 経営者として、もしくは先輩上司としての立場で、足立様にお聴きしたいのですが、トレーニングへの参加マネジャー達を見た際に、変化を感じた瞬間はありましたか?

変化でいうと、明確に「メタ認知」という概念が共有されましたね。つまり「抽象度の高い会話」が出来るようになりました。目には見えないけれど、人の関係性、雰囲気、空気みたいな「モノ」がそこにありますよね。それに気づけるかどうか?という要素はマネジメントにとっては大変重要な概念だと思うのです。ですが、人間関係や職場の雰囲気を、俯瞰して観察して、気づく経験を持っていない人からすると、例えば「今のチームは、コンディションが悪いよね?」「彼は最近テンション下がっているよね、まずくないかな?」と言われても「何の話をされているかさっぱり分かりません」となります。

「そういうものがある、見える見えないは別にして、あるんだ、マネジャーとしては、そういうことに向き合うんだ」ということが、テーマ設定出来るようになったことは、この「ひとマネジメントスキルトレーニング」で、得られた大きな違いです。

他にも色々ありますが、トレーニングを通して、一度みんなで「一体感」を得ているのは大きな成果だと思っています。例えば現場が忙しくなってきて、何かが違ってきてしまっている時に「あの時とは違うよね?」という問いかけに対して「ウンウン!」となれる。良い状態をお互いが体験を通して知っているというのは、やっぱりすごく大きな違いですね。

トレーニングを終えて気づく変化

ー トレーニングが終わった後も、継続していろんなことをやられていると思います。日常におけるマネジャーのアクションや、マネジャーとのメンバーとの関係や振る舞い、といったところで何か気づく変化みたいな具体的なものがあれば教えていただけますか?

トレーニングを受けたマネジャー達が現場で働きかけることによって、直接これを受けたわけではないプレーイングマネジャーの一人が、組織の中で大きな変貌を遂げました。

わたし達は、トレーニングを受けたマネジャー達を中心に、それぞれに役割を作り、業務の20%をメンバーとの「関係性の質」作りに使うんだ、とやり始めました。リーダークラスのマネジャーが動き始めると、抽象的な部分を読むことに長けた、つまり…メタ認知力が高かったメンバーが、伸び始めたのです。

「関係性の質を作ることは大事だよ」ということに、トレーニングで腹落ちしたマネジャーが、メンバーに継続して関わり続けたところ、マネジャーの下の層の、元々のセンスが良い、関係性やモチベーションコントロールへの関心が高いメンバーの一人が触発されました。部下が3人位のジュニア・マネジャーだったのですが、その彼が元々持っていた質が加速して、更にチームを活性化させていったという事例が生まれました。

彼は、MVPを取りましたね。弊社で、「全員野球(スタープレイヤーだけが活躍しているのではなく、一人一人のベストが出ることでのチームビルディングを行なった、困っている人がいたら、駆けつけることもあった、という意味)」という言葉が流行ったのは彼の貢献が大きかったのです。これは物凄く面白い検証でした。その年の下半期の表彰の中で「全員野球」と「関係性の質」のこの2つが、流行語大賞だったのです。このトレーニングによって出来た「引き出し」を組織のオプションとして一つ持つというのは、今までなかった武器を一つ持てるという位、現場を変えますね。

ー 実際、業績への影響みたいなものは、感じられますか?

変化はあります。通常、目標を上が決めてオーダーしていきますが、「あけぼの」をやり始めた後、組織の現場から「こうやります」という感じで数字が上がってくるようになりました。「こういう風にやってみたいんです」という風に、コミュニケーションは変わってきていて、今は凄い調子がいいです。

ここの組織は、新規の仕込みをいまのまま続けていって大丈夫とか、そうするとここは今度数字として上がっていくので、じゃあ次は、ちょっと難しい課題にチャレンジしようとか、チーム毎それぞれマネジメントできるようになるので、変わりますね。「ひとマネジメントスキルトレーニング」では、メンバー・部下の「主体的な行動」を引き出せるようになりましょう、ということが目的ですから、まさにそういった結果が出たと言えますよね。

トレーニングを効果的にワーク出来る規模感

ー このトレーニングをどんな経営者や企業に勧められますか?

僕の感覚値では、50人以下の組織の方が、ワークしやすいなと思っています。会社が例えば100人単位でも、部署が50人単位であれば、50人単位で導入することをお勧めします。

結果起こることは、組織としての「ファミリー感みたいなもの」に近いと感じました。背中を預けられる信頼感が生まれると言えばいいでしょうか。顔が見える距離や、お互いのパーソナリティに触れあう事に、違和感が出ない規模感でやったほうがいいと思っています。ですから、50人未満の組織や、ベンチャーとか、そういうような単位でやられると、環境が劇的に変わると思います。

ー 最後に、これを導入しようと検討している経営者であったり、人事責任者に、誰を派遣しようかと考えているような人に対してお話ししていただきたいのですが。導入にあたって、導入者として意識したほうがいい事は何かありますか?

通常の研修より圧倒的に時間もパワーもかかります。トップは「関係性の質」を磨くことが大事だから、時間を使うのだ、と決めることが大事 だと思います。

僕は、業務時間のうち20%をこの「関係性の質」を高める機会に充てるようスケジュールをロックするのですが、それを実現するのはそれなりの努力が要ります。ですから、「関係性の質」を高める時間を創ろうと思えば思うほど、既存業務の生産性を高めていくことになります。 ここをどうするんだ?という事こそが、トップの腹の括りどころだと思います。

実際、トレーニングには、2週間に一度の実践と振り返りがあります。例えば、通常業務で緊急事態が!となった時に「トレーニングを優先することが大事だ」とトップが言ってあげられることが大事だと思います。そこに許可を与えてないと、目の前の問題を優先してしまいます。結果はついて来ますから、極力トレーニングに優先順位を上げるという決断をしておくことが大事です。

ー ありがとうございました。